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☆今回の増田常徳展には第2会場があります。
そのもう一つの会場、石井記念友愛社の教会「祈りの丘ギャラリー」での開会イベントが3月28日に行われました。
増田常徳さんにとっては石井記念友愛社はまったく何の縁もゆかりもないところでしたが、昨年7月に高鍋町美術館に打ち合わせに来られた際に訪れた石井記念友愛社での石井十次との出会いが、思いがけない展開となって行きました。
石井十次あっての今回の高鍋町美術館での展覧会と成ったと言っても過言ではありません。
詳しい経過は私のHP日記に記述してあります。
そして今年の初めに起きた衝撃的な事件によって、この「祈りの丘ギャラリー」が特別な意味を持つ第2会場として設定されました。
教会でのイベントの前に増田さんや東京から来られた増田さんの支援会”西風の会”の皆さんらは、最初に石井記念友愛社を訪問されました。
「静養館」で児嶋理事長の訓話を聞かれ、資料館などを見学されました。
☆10時からの教会でのイベントへ移動しました。
教会には多くの方が集まってくださいました。
石井記念友愛社・児嶋理事長からの挨拶です。
増田常徳さんのこれまでのいきさつについての挨拶です。
いよいよ今回の増田常徳展のサプライズ作品の除幕です。
友愛社の男児と増田さんが除幕の紐を引きます。
現れたのは児嶋理事長の愛息・森次郎君の不幸な急逝に因って描かれた石井十次の肖像画です。
これほど石井十次のスケールの大きさ、意志力の強さを描いた肖像画は初めてです。
清冽な瞳の輝きを持った石井十次の姿に会場の皆さんからは大きなどよめきと感嘆の声が上がりました。
増田さんがドイツ留学のときに模写されたデューラーのキリスト像に模して描かれた石井十次の右手には杉の苗木が描かれています。
この杉の苗木こそが石井十次の植えた杉で再生された友愛社の建物と殉教者・森次郎君を象徴するものなのです。
肖像画を前に土屋眞澄さんの反戦の詩が朗読されます。
そして魂の打ち震えるような繊細で美しい佐藤達男さんのギター演奏が優しく優しく教会の空間を満たしていきます。
佐藤さんは感極まって演奏する前から、そして演奏中も泣いています。
増田常徳さんから児嶋理事長への石井十次肖像画の贈呈式です。
私たちはこれからずっとこの地でこの石井十次像を見ることが出来ます。
多くの人々に大きな勇気を与えてくれることでしょう。
増田さんを初め”西風の会”の皆さんたちは再び友愛社へ戻られ、記念の植樹や4月から運営開始の「茶臼原自然芸術館」の施設見学をされました。
お昼は再び静養館に戻って摂られました。
静養館は実際に石井十次が教育を行った空間であり、壁面には児嶋虎次郎の絵が無造作にかけられています。こんな贅沢な空間で食事が出来るなんて!
食事は近くの山菜料理の美味しい”長越”の山菜弁当と友愛社の職員の皆さんが作られた山菜のてんぷらやお汁で、とても心のこもったものでした。
お昼の後は西都原へ向かわれましたが、その前に降り出した雨の中を石井十次の墓地へ立ち寄りました。
墓地では石井十次の会会長の内田先生が色々お話をしてくださいました。
私の知らないことも多々ありました。
石井十次の墓の周りには亡くなった孤児の墓がたくさん並んでいます。十次は岡山孤児院で亡くなった子供の墓も全部茶臼原へ持ってきたのだそうです。
それでこの孤児たちの魂に見てもらうために、石井十次の会では茶畑いっぱいに鯉幟を立てるのだそうです。内田先生たちはこの朝に鯉幟を立てられたばかりでした。
一行はこの後西都原で桜を見て高鍋町美術館へ戻り、ゆっくりと展覧会を鑑賞されて帰途に就かれました。
一行にとっては毎日、毎時間が驚きと感動の旅となったでしょう。
遠路からはるばるありがとうございました。
そして私も多くの素晴らしい出会いをさせていただきました。
ありがとうございました。